負われたいと背に飛び乗る夜道の重石
オバリヨン
おばりよん / ばりよん / うばりよん / おんぶおばけ / おぼさりてい / バロウギツネ
負われたい、と夜の藪が声を上げる。振り向いてはいけない。背の重みは一歩ごとに増し、恐れれば倍になり、笑って負ってやれば黄金に変わる。取っつくか、引っつくか。すべては、その背中の胆力しだい。
概要
新潟県三条市を中心に伝わるおんぶ妖怪。夜道でいきなりおばりよんと叫びながら人の背に飛び乗ってくる。名は当地の方言で負われたいの意。うばりよん、おんぶおばけ、おぼさりていなど呼び名は多い。背負うと際限なく重みを増し、簡単には離れないという。
出現
夜、草の生い茂る暗い道や藪の小道を歩いていると出る。何者かが背にのしかかるような気配とともに、おばりよんの声を上げていきなり背中におぶさってくる。振り払おうとしても取り付いたまま離れず、進むほどに重さだけが増していくとされる。
伝承
大正時代の民俗誌越後三条南郷談にばりよんの名で記され、夜の通行人の背に飛び乗り頭を齧るとされた。負われたいを意味する方言が名の由来とされる。恐れぬ者が富を得る筋は全国に分布する取っ付き引っ付きの類型に連なる。
特徴
体は小さいのに背負われるほどに重みを増し、簡単には振り落とせない。頭を齧るとも伝わり、金鉢をかぶれば防げるという。恐れず家まで負って帰れば黄金や小判に変わり、あるいは剛力を授けるとも語られ、害と福の両面を併せ持つ。