船をめぐる白い海の光

しらみゆうれん

シラミ / バカ / 馬鹿 / ヒキ

沖の闇に、ふっと白い光が生まれる。素麺のように細く、青くにじんで、見るまに膨れあがり、舟のまわりを狂ったように回りだす。恐ろしいのか、美しいのか――言葉を探すうちに、それはもう、どこにもいない。

しらみゆうれんの立ち絵

危険度・希少度

C
戦闘力

驚かせ、転ばせる程度。命までは取らない。

C
敵対性

脅かし惑わせはするが、深追いはしない。

A
稀少性

限られた土地でだけ、まれに語られる。

概要

しらみゆうれんは、愛媛県宇和島の海に現れると伝わる怪異。夜、沖に出た舟のまわりに、白く青光りする素麺のようなものが忽然と現れ、みるみる巨大になって、猛烈な速さで舟の周囲をぐるぐると回る。伊予に伝わる水難者の霊「シラミ」と同じものとも考えられている。

出現

夜の海で舟を出していると、ふいに海面が白く光りだす。素麺を束ねたような細長い光が、ふわふわと湧き上がったかと思うと、あっという間に大きくなり、目にもとまらぬ速さで舟のまわりを回りはじめる。害を加えることはないが、やがていずこともなく、すっと消え失せてしまう。

伝承

しらみゆうれんは水木しげる『日本妖怪大全』(1991年)などで宇和島の妖怪として紹介された怪異で、水木は夜光虫の群れではないかとも見ている。伊予(愛媛県)北宇和郡下波村などに伝わる水難者の霊「シラミ」と同一視され、海面が白く光る現象を超自然の存在と解した海の怪異の系譜に位置づけられる。

特徴

白く青白い光を放つ素麺のような姿で海面に湧き、瞬く間に巨大化して、驚くほどの速さで舟のまわりを旋回する。同一視される「シラミ」の伝承では、船にすがりついて吃水を深くし、船足を鈍らせるといい、「馬鹿」と口にすると怒って櫓にまとわりつくため、その言葉は口にしてはならぬとされた。

しらみゆうれんのカバー画像