風呂で消える雪の花嫁
つらら女
氷柱女房 / つらら女房 / しがま女房
雪の晩に訪れた娘は、笑えば頬に朱がさすほど人間らしかった。ただ風呂場だけは、最後まで一人で入らせてほしいと言った。
概要
つらら女は、雪深い夜に人家を訪れ、風呂に入ると姿を消して氷柱に変わる女の妖怪。東北地方から新潟県にかけて伝わる話型で、雪女の系統に連なる存在としても語られる。秋田県の類話では、宿を借りた娘が正体を明かさぬまま消える悲しい客人として描かれる。
出現
吹雪の晩、人里離れた家の戸を色白の若い女が叩く。「一晩泊めてほしい」と願い出て、雪がやまぬまま数日を夫婦の家で過ごすうち、家人と親しくなっていく。やがて風呂を勧められると渋りながらも入り、湯船に髪飾りだけを残して姿を消す。
伝承
つらら女は東北地方や新潟県に伝わる話型で、独身男が軒のつららに妻を願う類話や、山形県・越後国の異伝など複数のバリエーションが確認できる。秋田県の類話では、宿を借りた娘が入浴後に消え、天井に一本のつららが下がっていたと結ばれる。関連項目として雪女が挙げられ、その系統に位置づけられることもある。
特徴
色白で長い黒髪を持ち、雪のように冷たく透き通った肌をしている。人里に紛れて親しくなることはできても、湯気や熱に触れることを極端に避け、風呂場に長くとどまれない。正体を見られると、その場で氷柱や水蒸気に姿を変えて消え去ってしまう。