呼べば音を立てて祟る大和の怪火

ほいほい火

ホイホイ火 / ホイホイび

呼べば、来る。龍王山の闇に向かって「ホイホイ」と二度、三度。じゃん、じゃん——それは残念、残念と叫ぶ声。飛んでくる火を、あなたは見てはいけない。見た者は三日三晩、熱に焼かれるのだから。

ほいほい火の立ち絵

危険度・希少度

B
戦闘力

条件がそろえば、人の命にも関わる。

B
敵対性

縄張りや禁忌に触れた者を積極的に襲う。

A
稀少性

限られた土地でだけ、まれに語られる。

概要

ほいほい火は、奈良県天理市柳本に伝わる怪火。城址のある龍王山に向かって「ホイホイ」と二、三回よびかけると、シャンシャン(じゃんじゃん)という音とともに飛来して現れるという。これを見た者は祟りで熱病にかかるとされ、奈良各地に伝わる音を伴う怪火「じゃんじゃん火」の一つに数えられる。

出現

雨の近い夏の夜、天理市柳本の十市城(龍王山城)の跡に向かって「ほいほい」と二、三度よびかけると現れる。すると山の方から「じゃんじゃん」と音を立てて怪火が飛来し、やがて消える。本当に出るか試したがる者もいるが、遭えば祟られるため、見ないほうがよいと戒められている。

伝承

奈良県歴史文化資源データベースや高田十郎編『大和の伝説』などに、天理市一帯の音を伴う怪火「じゃんじゃん火」の一種として記録される。城址に向かって呼びかけると飛来し、十市遠忠の怨霊とする伝承を伴う。奈良に色濃く残る大和の怪火伝承の系譜に位置づけられる。

特徴

呼びかけに応じて出現する点が特徴で、「ホイホイ」の声に「じゃんじゃん」と音を返しながら山から飛来する。この音は、討たれた武士たちが「残念、残念」と叫ぶ声だともいう。見た者を三日三晩の熱病で祟り、時に死に至らしめる。奈良の夜には別の怪火と出逢い、もつれ合うこともあるという。

ほいほい火のカバー画像