死を告げて墓場へ向かう火の玉

タマガイ

タマガイ / フィーダマ / ヒーダマ / 火玉 / 火の玉

誰かの息が絶えようとする晩、赤い玉がひとつ、屋根の上にふわりと灯る。それはどの家の方角か。高台の見張りは息をのみ、爆竹を握りしめる。玉は墓場をめざしてゆっくりと流れ、二、三日のうちに、その家から野辺送りの声が上がる。

タマガイの立ち絵

危険度・希少度

D
戦闘力

直接人を害する力は伝えられていない。

D
敵対性

人への害意はなく、時に福さえもたらす。

B
稀少性

各地に類話はあるが、遭うには条件がいる。

概要

タマガイは沖縄で人魂・火の玉を指す怪火で、フィーダマ(火霊)ともいう。人が死ぬときその霊魂が怪しい火の玉となって墓場へ向かうと信じられ、火の玉が上がった家や近所では近いうちに死者が出るとされた。今帰仁村のように出産の前兆とする土地もあり、地域によって吉凶の解釈が分かれる。

出現

夕暮れどきから深夜にかけて、集落の上空や墓場のあたりに赤い火の玉となって現れる。とりわけ旧暦八月八日から十五日のヨーカビ(八日日)の期間は妖火の出る月とされ、屋根や木の上に上がったタマガイが、病人のいる家や近く死者の出る家の方角へ飛んでいって落ちるという。

伝承

沖縄県では人魂をタマガイと呼び、鬼火・人魂の類をフィーダマともいう。怪異・妖怪伝承データベースには、赤い球形でそれが出た家に不幸が起こる、屋根に上がった家に死人が出るといった採録がある。土地によっては人を死に追いやる怪火とし、今帰仁村では子が生まれる前に現れるとも伝える。

特徴

赤い球形で、直径十センチほどから笊ほどの大きさまであり、円柱状に見えることもある。旧暦八月の厄日に多く現れ、病人や近く死者の出る家へ飛んでゆき、その日から二、三日のうちに死をもたらすとされる。人々はこれを凶兆として恐れ、高台に登って火の玉の上がる家を見張り、爆竹を鳴らしユタを呼んで祓った。

タマガイのカバー画像