彼岸の空を渡る、飛ぶ河童
ヒョウズンボ
ヒョウスンボ / ヒョウスベ
ヒョンヒョンと声がして、空を見上げれば無数の影が渡ってゆく。渓を伝い、尾根を越え、彼岸の空を、山と川のあいだへ。
概要
ヒョウズンボ(ヒョウスンボ)は、宮崎県などに伝わる空飛ぶ河童。春の彼岸に山から川へ下り、秋の彼岸に山へ上るとされ、移動の際は「ヒョンヒョン」「グワッグワッ」などと鳴きながら群れで空を渡る。九州各地にはヒョウスベなど類似の呼び名を持つ河童系の妖怪が広く伝わる。
出現
ヒョウズンボは、春秋の彼岸の日、渓流筋や山の尾根筋を伝って山と川を行き来する際に、鳴き声とともに空を渡る姿を見せるという。この鳴き声を聞いた村人は、畑仕事を中断してその大群が通り過ぎるのを待った。日中に移動することもあり、社日には川へ下り、また山へ上ってゆく姿が見られたと伝わる。
伝承
ヒョウズンボはヒョウスベ・ヒョウスンボなどとも呼ばれ、佐賀県・宮崎県を中心に九州各地に伝わる河童系妖怪の一種とされる。1981年に宮崎県で採録された民俗調査では、山と川を彼岸に行き来する習性が記録されている。『宮崎県史 別編 民俗』(1999年)には、東臼杵郡諸塚村に伝わる関連の言い伝えも収められている。
特徴
ヒョウズンボは河童の一種で、他の河童と違い群れをなして空を飛ぶ力を持つ。移動の通り道にあたる崖や家屋には、崩落やいたずらの跡を残すことがあり、通り道に家を建てると穴を開けられるともいう。普段は川や山中に隠れて過ごし、人前に姿を見せることは少ない。