絵巻にのみ描かれた、光る一つ目

一つ目坊

名だけが記され、由来は語られない。絵巻の片隅で、赤い一つ目がひとすじの光を放つ——それを見たと語る者の記録は、いまだどこにも残っていない。

一つ目坊の立ち絵

危険度・希少度

D
戦闘力

直接人を害する力は伝えられていない。

D
敵対性

人への害意はなく、時に福さえもたらす。

S
稀少性

ただ一体、一度きりの怪異として語られる。

概要

一つ目坊は、熊本県八代市の松井文庫が所蔵する『百鬼夜行絵巻』にのみ描かれる一つ目の妖怪。額の赤い印から光線状のものを放つ姿で描かれるが、絵巻に解説文はなく、由来や行動を伝える言い伝えも残されていない。

出現

その姿に出会えるのは、絵巻の紙面の上だけである。数多の妖怪が名を連ねる中に、ただ一体、名前だけを添えて静かにとどまり続けている。

伝承

『百鬼夜行絵巻』は、天保3年(1832年)に肥後国八代郡の絵師・尾田郷澄が制作したとされる図鑑形式の妖怪絵巻で、58体の妖怪に名を付して描く。一つ目坊はその一体として記録されており、他の文献に手がかりは見つかっていない。

特徴

ただ一つの目の上に、まるでインドの人々が付けるような赤い印を持ち、そこから光線状のものを放っているように描かれる。絵巻には行動や能力についての説明が一切なく、九州各地に伝わる一つ目の妖怪「目一つ五郎」と同類ではないかとも推測されるが、詳細は謎に包まれたままである。

一つ目坊のカバー画像