一つ目小僧に付き添う三面の乳母

三面乳母と一つ目小僧

茶を運んできたのは、ただの利発な小僧に見えた。名を尋ねた途端、その顔は朱に染まり、みるみる膨れ上がって、額に大きな目がひとつ開いた。乳母はきっと、三つの顔のどれかで、ため息をついていただろう。

三面乳母と一つ目小僧の立ち絵

危険度・希少度

D
戦闘力

直接人を害する力は伝えられていない。

C
敵対性

脅かし惑わせはするが、深追いはしない。

A
稀少性

限られた土地でだけ、まれに語られる。

概要

正面のほか右と左にも顔を持つ三面の乳母が、一つ目小僧の世話をするという妖怪。一つ目小僧は乳母の手を離れて人前に姿を見せることがあり、親しく話しかけられると顔を巨大化させて一つ目を晒し驚かせる。

出現

江戸のとある屋敷に、右と左にも顔を持つ三面の乳母と、その世話を受ける一つ目小僧が棲むという。乳母のもとを離れた小僧は、茶や煙草盆を運ぶ利発な子供のふりをして人前に現れ、親しく声をかけられると顔を膨れ上がらせて額に一つ目を晒す。

伝承

江戸の屋敷を舞台に、三つの顔を持つ乳母が一つ目小僧の世話をするという構図で伝わる説話。一つ目小僧そのものは全国各地に類話が見られる妖怪で、事八日に山から下りてくるという伝承や、比叡山の一眼一足法師に由来するとの説などがある。三面乳母を伴う型は限られた資料にのみ見える。

特徴

常は三面の乳母に付き添われて人目を避けているが、ときおり乳母の手を離れ、屋敷勤めの子供のふりをして客の前に姿を見せる。名を尋ねられるなど親しく話しかけられると恥じらうように赤面し、次の瞬間には顔が倍以上に膨らんで額に大きな目が一つ現れるという。

三面乳母と一つ目小僧のカバー画像