赤い褌の上に、直接大きな頭が乗っている。

二本の足

顔と足だけでできた体に、行き先はない。ただ夜の中を、どこまでも走り続けるだけだ。

二本の足の立ち絵

危険度・希少度

D
戦闘力

直接人を害する力は伝えられていない。

D
敵対性

人への害意はなく、時に福さえもたらす。

S
稀少性

ただ一体、一度きりの怪異として語られる。

概要

熊本県八代市の松井文庫に伝わる『百鬼夜行絵巻』に描かれた妖怪。赤い褌を締め白足袋を履いた二本の足の上に、直接大きな頭が乗った姿で描かれる。何をする妖怪かは絵巻に一切記されていない。

出現

絵巻の中だけに描かれた妖怪で、実際に誰かがこの妖怪に出くわしたという体験談は伝わっていない。もし夜の九州の道でこの奇妙な二本足と鉢合わせたなら、正体も目的も分からぬまま、ただ走り去る背中を見送るしかないだろう。

伝承

天保3年(1832年)、尾田郷澄が描いた『百鬼夜行絵巻』(熊本県八代市・松井文庫蔵)に描かれる。同種の絵は安永9年(1780年)の『百物語化絵絵巻』にも見られ、そこでは「らちもない」の名で描かれている。行動や由来を記した詞書は伴わない。

特徴

顔の下に直接足が生え、赤い褌と白足袋という人間離れした取り合わせの姿をしている。何を目的に現れるのかは伝わらないが、その不安定な姿から、夜の町を走り回っては人を驚かせる妖怪と見なされている。

二本の足のカバー画像