正体は瓢箪、子生の巨大坊主
子生弁天の大入道
子生弁天の大入道 / こなじべんてんのおおにゅうどう
見上げれば首の折れるほどの大坊主。だが金剛杖を一振りすれば――ぱん、と割れたのは、ただの古瓢箪であった。
概要
子生弁天の大入道は、茨城県鉾田市子生の厳島神社(子生弁天)のあたりに現れたという大男の化け物。夜ごと雲を突くほどの巨体で立ちはだかり、通る人を脅かした。しかし打ち払われると、その正体は大きな瓢箪であったといい、あっけなく破裂して消えたと伝わる。
出現
社へ通じる夜道に、見上げるほどの大入道が音もなく立ちはだかる。あたりを塞ぐ黒い影となって行く手を阻み、参詣や夜歩きの者を震え上がらせた。近づくほどに背丈はぐんぐん伸び、頭は闇にまぎれて見えなかったという。
伝承
鉾田の子生に鎮まる厳島神社は、安芸の宮島から弁財天を勧請したと伝わる古社で、安産の「子生の弁天様」として信仰を集めてきた。その門前を騒がせた大入道の話は、化け物の正体が意外なものであったという各地の大入道譚と同じ筋立てで語り継がれている。
特徴
大入道は見る者の目の前でみるみる背を伸ばし、天を覆うほどの威で人をすくませる。だが、その巨躯は見かけ倒しの張りぼてにすぎず、恐れず打ちかかれば皮が裂けて呆気なく果てた。大きく見せて脅すことだけが身上で、確かな害をなす力は持たなかった。