尻子玉を狙う海の河童

小法師

ひと泳ぎ、もうひと潜り。足首をかすめた小さな手を、海草と思ってはいけない。凪いだ入り江の底では、小法師が今日の尻子玉を数えて、次に来る者を静かに待っている。

小法師の立ち絵

危険度・希少度

B
戦闘力

条件がそろえば、人の命にも関わる。

B
敵対性

縄張りや禁忌に触れた者を積極的に襲う。

A
稀少性

限られた土地でだけ、まれに語られる。

概要

伊勢志摩の海に現れる河童の一種。鳥羽市国崎や志摩の海辺で語られ、尻小法師とも呼ばれる。海で泳ぐ者や潜る海女に取りつき、尻子玉を抜くとされる水の妖怪で、川ではなく磯を住みかとするのが特徴である。

出現

夏の海、泳ぐ人や鮑を採る海女の足もとに忍び寄る。波間に見え隠れする小さな影で、油断していると足を取られ、そのまま深みへ引き込まれてしまう。人けのない磯や、凪いだ入り江ほど危ういという。

伝承

志摩の海女たちは、海の底の龍宮へ誘われることや、尻小法師に尻子玉を抜かれることを何より恐れた。魔除けとして、磯着や手ぬぐいに星形一筆書きと格子のセーマン・ドーマンの印を縫い付け、海に潜るあいだの身を守ったと伝わる。

特徴

河童と同じく水を住みかとし、抜き取った尻子玉を好むという。姿は小さく、素早く波間を泳ぎ回り、陸へ上がることはめったにない。もっぱら海中で獲物を待ち構える。龍宮の使いとも信じられ、畏れと祀りの両方を向けられた。

小法師のカバー画像