護符に阻まれ、人に札をはがさせようとする幽霊

札返し

たのむ、その札を一枚はがしてくれ——枕辺の声に応じたが最後、報いはこの身に返ってくる。

札返しの立ち絵

危険度・希少度

B
戦闘力

条件がそろえば、人の命にも関わる。

B
敵対性

縄張りや禁忌に触れた者を積極的に襲う。

A
稀少性

限られた土地でだけ、まれに語られる。

概要

戸口に貼られた護符に阻まれ、家に入れずにいる幽霊。足のない亡霊の姿で描かれる。神仏の名や経文をしるした札には自ら触れられぬため、家の者や隣人をそそのかし、その手で札をはがさせようとする怪異である。ふだがえしと読む。

出現

夜ごと、想いを寄せる相手の家の戸口に立つ。だが護符に阻まれて中へは入れず、やがて隣家の者の枕元に現れては、脅し、なだめ、時に金品を約束して札をはがすよう迫る。求めに応じて札をはがした者には、必ず報いが訪れるとされる。

伝承

『狂歌百物語』は、護符に隔てられた幽霊が人に札をはがさせようとするさまを、足のない亡霊の姿とともに描く。護符が悪しきものの侵入を阻むという民間の信仰を下敷きにした怪異で、名高い怪談『牡丹灯籠』では、亡きお露が隣家の伴蔵をそそのかして札をはがさせる件がこれにあたる。

特徴

経文や神仏の札には、みずからの手を触れることができない。ゆえにおのれでは目当ての家へ踏み入れず、もっぱら生者をたぶらかして札を除かせる。ひとたび護符が取り払われれば、幽霊はさえぎるものなく家に入り、慕う相手を取り殺すことすらあるという。

札返しのカバー画像