狐狸をしのぐ九化けの主

狐は前から化かし、狸は腹を打つ。だが狢は、背にした闇からそっと追ってくる。

狢の立ち絵

危険度・希少度

C
戦闘力

驚かせ、転ばせる程度。命までは取らない。

C
敵対性

脅かし惑わせはするが、深追いはしない。

C
稀少性

広く知られるが、日常で出遭うことはまれ。

概要

人を化かすのが狐や狸より上手いといわれる。古寺の僧に六年なりすました話などが伝わる。

出現

薮や峠、山道の夜に現れる。旅人の前で見慣れた道を深い川に変え、あるいは人影に化けて紛れる。下総では着物姿の「かぶきり小僧」に化け、関東・東北では十月十日の十日夜に狢を追い払う「狢ばったき」の行事も行われた。

伝承

『日本書紀』推古天皇三十五年(六二七年)に狢が人に化けて歌ったと記され、古くから化ける獣とされた。顔のない女に化けて夜道の人を驚かす話や、神奈川で「オーイ」と呼びかけ、返事をすると先に息の尽きた方が死ぬという話も各地に伝わる。

特徴

狐の七変化・狸の八変化を超える「九化け」を誇り、道を川と見せ、馬糞を饅頭に変え、人の方角感覚を狂わせて迷わせる。狐が前から導くのに対し、狢は背後から追ってくるため危ういとされる。年を経ると背に白黒の毛が十字に生え、これを十ムジと呼ぶ。

狢のカバー画像