斬られた手が残した秘薬

狸伝膏(ばけものこう)

悪戯の代償に斬られた手。だが狸は、その手より重い秘伝を置いていった。

狸伝膏(ばけものこう)の立ち絵

危険度・希少度

D
戦闘力

直接人を害する力は伝えられていない。

C
敵対性

脅かし惑わせはするが、深追いはしない。

A
稀少性

限られた土地でだけ、まれに語られる。

概要

女の尻を撫でる狸。手を斬られた後、返してもらう礼に秘伝の膏薬の製法を教えて去った。

出現

岡山の中山下あたり、夜の暗がりで女の背後にそっと忍び寄り、その尻を撫でる。とがめられて刀を抜かれると、悪戯の手はあえなく斬り落とされ、狸は闇へ逃げ去る。数夜のち、斬られた手を取り戻そうと人のもとを再び訪れる。

伝承

斬られた手を返してほしいと願い出た狸は、代償として骨接ぎに効く膏薬の秘法を人に授けて去ったという。妖怪が奪われた手足と引き換えに妙薬を伝える型で、延宝期の怪談集『宿直草』の「たぬき薬の事」にも、手を斬られた古狸が妙薬の製法を教える同様の話が見える。

特徴

化けの巧みな悪戯者でありながら、恩義にはことのほか篤い。斬り落とされた自らの手を惜しみ、それを取り返す代わりに人へ薬の製法を差し出す。伝えた膏薬は傷や打ち身に効く秘薬とされ、以後その地の家伝薬として受け継がれたと語られる。

狸伝膏(ばけものこう)のカバー画像