山の医法を授け、長命の者を攫う白髪山の主

白髪山の怪物

山で出会ったその赤ら顔を、恵みと見るか、迎えと見るか。医の秘法を授かって里に帰った者もいれば、あまりに長く生きたがために、二度と戻らなかった者もいる——白髪山は、与える手と連れ去る手を、同じ怪物に持たせた。

白髪山の怪物の立ち絵

危険度・希少度

B
戦闘力

条件がそろえば、人の命にも関わる。

C
敵対性

脅かし惑わせはするが、深追いはしない。

A
稀少性

限られた土地でだけ、まれに語られる。

概要

土佐の白髪山に棲むと伝えられる怪物。朱色の顔と、あかあかと輝く目を持つ。名医・松井道順に病を全快させる秘法を授けたといい、また不老長寿を得た者たちを山の奥へ連れ去る存在ともされる。

出現

深く険しい白髪山の山中で、ふいにその姿と行き合うという。赤い顔がぼうと浮かび、両の目が炬火のように光る。医の道を究めようとする者の前には秘法の授け手として、長く生きすぎた者の前には迎えの使いとして——相手によって、まったく異なる相貌であらわれる。

伝承

山の主が人に医の術や薬の秘法を授けるという話は、土佐の山々に散らばって語られてきた。白髪山の怪物もその一つで、名医・松井道順が全快の秘法を授かった相手として伝わる。一方で、この世の理を超えて長く生きた者を山の奥へ連れ去るともいい、白髪山が生と死、老いと若さの境をつかさどる場と考えられていたことをうかがわせる。

特徴

人を力ずくで襲うことはせず、選んだ相手には病を癒す秘伝を授け、あるいは長く生きすぎた者をひそかに山へと攫っていく。朱に染まった顔と、闇に爛々と光る目をもつその姿は、恵みと畏れの両面を併せ持つ、白髪山そのものの化身のようである。

白髪山の怪物のカバー画像