殺した男の喉に噛みつく盲目の芸人の怨霊

瞽女の幽霊

目の見えぬままに、あの声を、あの手のぬくもりを覚えている。闇はもう怖くない——闇の中でこそ、私はお前を捜し当てられるのだから。さあ、その喉をこちらへ。

瞽女の幽霊の立ち絵

危険度・希少度

A
戦闘力

人の命を奪う明確な攻撃手段を持つ。

B
敵対性

縄張りや禁忌に触れた者を積極的に襲う。

A
稀少性

限られた土地でだけ、まれに語られる。

概要

男に弄ばれ殺された、盲目の女旅芸人「瞽女」の怨霊。自分を手にかけた男の前に現れ、その首に噛みついて命を奪ったと伝わる。

出現

生前に自分を騙し、手にかけた男の前に、恐ろしい亡霊となって立ち現れる。目の見えぬ身を弄んだうえ命まで奪った相手を、その怨念は決して見逃さない。相対した男は逃れるすべもなく、取り殺されてしまうという。

伝承

瞽女とは、三味線を携え、晴眼の手引きに導かれて村々を巡り、歌や語り物で生計を立てた盲目の女旅芸人であり、江戸時代から昭和初期にかけて各地を巡業していた。

瞽女の幽霊は、目が不自由なことにつけこまれて男に弄ばれ、殺された瞽女が、その怨念から妖怪と化したものと伝わる。復讐として、自分を殺した男に「眼の見えぬ私をもて遊んだうえに殺したな」と言い、男の首を噛み切って殺したという。三代歌川広重による幽霊画の錦絵には、三味線を抱えた瞽女の幽霊が水面に浮かび上がる姿が描かれている。

特徴

生きていた頃は目が不自由で、そのために騙され弄ばれ、命を奪われた。だが亡霊となった今は、暗がりの中でも相手をたしかに捉えて離さない。恨みの言葉を突きつけながら、その首に噛みついて命を奪う。怨念は自分を手にかけた男ただ一人に向けられており、無関係の者にまで害を及ぼすことはないとされる。

瞽女の幽霊のカバー画像