道端や墓辺に垂れ下がり、病を移す白い袋

茶袋

夜道の先、木々の影にぼうと白い袋が垂れている。触れずとも、見上げただけで背筋が冷える。あれが何を煎じた袋なのか――今となっては、知る者もいない。ただ、その下を通れば病が移るという。

茶袋の立ち絵

危険度・希少度

C
戦闘力

驚かせ、転ばせる程度。命までは取らない。

C
敵対性

脅かし惑わせはするが、深追いはしない。

A
稀少性

限られた土地でだけ、まれに語られる。

概要

高知県西部を中心に伝わる怪異。茶を煎じるのに使う袋状の布に似た白いものが、道端や墓のそばなど薄気味悪い場所に、宙からぶら下がって現れるという。これに「あてられる」と様々な病気にかかるとされ、夜道を行く人々に長く恐れられてきた。

出現

出没するのは、人けのない道の中でもとりわけ陰気な一角や、墓地の周辺である。雨の降る晩などに、宙へひっそりと下がっているのを見かけるという。旧・土佐山村高山では、乳母(オンバ)が墓という墓に茶袋が下がると語り伝えたが、こちらは特に病を呼ぶとは言われていない。

伝承

正体は不明だが、こうした怪異は各地に見られる「下がりもの」の一種とされる。同類には、薬缶が下がる長野のヤカンヅルや、榎から馬の首が下がる岡山のさがりがある。和歌山県印南町の印南川沿いでは「茶ん袋」と呼ばれ、ただ垂れ下がるだけでなく、水にプカプカ浮かんだり、空を飛んできたりもしたという。

特徴

音もなく宙に垂れ下がるばかりで、みずから襲いかかってくることはない。しかし迂闊にその下を通り、漂う瘴気にあてられた者は、原因の知れぬ病を負って床に伏せるという。掴もうとしても手応えはなく、いつのまにか姿を消している。

茶袋のカバー画像