都に雷を落とし朝廷を震わせた大怨霊
菅原道真の怨霊
「天皇の命とあらば、止めはすまい」――座主の返答に、道真はざくろを噛み砕き、口から炎を吐いた。ほどなく清涼殿の空が裂け、雷光が朝廷の柱を打ち砕く。恨みはついに、天そのものを我が手中に収めた。
概要
無実の罪で大宰府に左遷され、失意のうちに没した右大臣・菅原道真が化した怨霊。都に落雷を起こし、自分を陥れた藤原一族に祟ったと恐れられた。のちに天満大自在天神として祀られ、しばしば日本三大怨霊の一に数えられる。
出現
怨霊はまず、道真の死後まもなく比叡山延暦寺に現れたと伝わる。やがてその姿は、黒雲を呼び雷鳴とともに都の空へ立ちのぼり、宮中の殿舎めがけて雷を落とすものとして、平安京の人々の前に立ち現れた。
伝承
学者の家から異例の出世を遂げた道真は、左大臣・藤原時平らの讒言で謀反を疑われ、昌泰四年(901年)大宰府へ左遷、延喜三年(903年)に没した。伝承では、その霊が尊意に都への復讐を告げ、止めようとされると怒り、ざくろを口に含んで炎に変え吐き出したという。
特徴
雷雨と落雷を意のままに操り、狙った相手の頭上へ稲妻を落とす。恨みを向けた藤原一族には、謎の病や事故による死が次々と襲いかかったという。天神として神号を贈られてからは荒ぶる力も鎮まり、やがて学問の守り神へと転じていった。