顔を浮かべる岩国の怪火

迷い火

炎の一つ一つに、見覚えのある顔。近づけば伝わってくるのは熱ではなく、じわりと骨に染みる病だという。

迷い火の立ち絵

危険度・希少度

C
戦闘力

驚かせ、転ばせる程度。命までは取らない。

C
敵対性

脅かし惑わせはするが、深追いはしない。

A
稀少性

限られた土地でだけ、まれに語られる。

概要

山口県岩国に伝わる怪火。夕暮れの野や水辺に無数の火が灯り、その炎のなかにいくつもの人の顔が浮かび上がるという。近づいて毒気にあてられると病を得ると恐れられ、江戸期の怪談集『岩邑怪談録』に記録が残る。

出現

日暮れどき、大津へ舟遊びに出た者の帰り道に行き会うという。あたりにぽつぽつと火が灯りはじめ、逃れようとするほど数を増して迫る。ひとつひとつの炎に人の顔が見えるのが、この怪火の常であった。

伝承

『岩邑怪談録』の「山田氏、迷ひ火を見る事」は、山田某が大津から舟で戻る夕暮れに無数の怪火へ囲まれ、炎の内に人の顔を見た次第を記す。その毒気にあてられて病んだとも伝わる。岩国徴古館が同書を所蔵する。

特徴

夕闇に乗じて群れをなして現れ、炎の一つ一つに死者めいた人の顔を宿す。追う者からは逃げ、逃げる者には迫る気まぐれさを持つ。まとった毒気にあてられた者は、床に臥すほどの病を負うという。

迷い火のカバー画像